第56回日本母性衛生学会総会・学術集会
ランチョンセミナー 骨盤ケアで改善! PART15

妊娠・分娩・産褥・新生児期のトラブル
―骨盤ケアで胎勢も、新生児の姿勢・睡眠も変わる―

目次

ごあいさつ

コーディネーター・座長経歴、演者経歴

演題 寝ない子を抱いたままの育児体験と、
感覚統合運動から知った胎内環境・育児環境の重要性

助産師・子ども身体運動発達指導士 新沼 映子

安眠できるための体を育てるケア法

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助産師 渡部 信子

トコ・カイロプラクティック学院 学院長
トコ助産院 院長 助産師 渡部 信子


先日、かかりつけの歯医者さんに「渡部さんは事業拡張中ですか、縮小中ですか?」と尋ねられ、迷うことなく「拡張中です」と答えた。彼は私よりも数歳年上、お互いに「若者よりしっかり働ける高齢者」と自負している。そんな私だが、「幸せ~」と心底思うのは、気持ちのいい寝床の中で眠りに落ちて行く時である。仕事が上手くいった時も、美味しい食べ物をいただく時も、家族と楽しい時間を過ごす時も、もちろん幸せだが、それらとはレベルが違う気がする。1日の仕事を終え、お腹も満たされて体が休まっていく時の幸福感は、何物にも代えがたい。

不眠症という病名もあるくらい、世の中には眠れなくて悩んでいる人が多いようだが、こんな思いで入眠できる私は、何という幸せ者であろう。私のクライアントにも、眠れず苦労している人は多い。もっともかわいそうなのは眠れない乳児である。顔色は悪く苦悶様表情を浮かべ、体を捻じって反らせ、硬直している子を見ると、私まで辛くなる。

こんな乳児の胎児エコー写真を見ると、正常とされる胎勢(胎児の姿勢)とは、およそかけ離れていることがあり、時には苦悶様表情が写し出されていることもある。「この子は胎内でも安眠できていなかったのでは?」と思うことが、年々増えて来ていると感じる。それだけ、良い胎勢で胎児を育める子宮を持つ妊婦に出会うことが減った。

図1 腹直筋離開の様子

図1 腹直筋離開の様子

図2 “おひなまき”で幼児もニッコリ

図2 “おひなまき”で
幼児もニッコリ

薄い胸郭で狭い肋骨弓、子宮が育つスペースが狭い妊婦が多く、加えて、脊柱側彎、大きく離開した腹直筋(図1)…、「この母体の子宮の中では、胎児はリラックスして眠ることも、活発に運動することも難しそう」と、暗澹たる気分になることもしばしばである。

ところが最近、このような母体の画期的改善法に気付いた。それは、良好な胎児姿勢にリセットする、大人の“おひなまき”、名付けて“おとなまき”※である。子宮の中に戻った気分になり、心身の緊張が解け、急に眠くなってそのまま40分ほど眠ってしまう人もいたり、反対にモゾモゾと動きだす人もいる。“おとなまき”から出ると心身共に軽くなり、体の痛みが軽減し、柔軟になる。寝つきが悪く便秘がちの乳児も、腹直筋が強く離開していることが多く、“おひなまき”(図2)でよく寝るようになり、便秘や腹直筋離開も次第に改善する。

図3 “おとなまき”を体験後、胡坐を組めた(左より、前・1回目後・2回目後)

図3 “おとなまき”を体験後、胡坐を組めた
(左より、前・1回目後・2回目後)

乳児の“おひなまき”を見て、「かわいそう」「動けないのでは?」「股関節脱臼になるのでは?」と心配する人に“おとなまき”を体験してもらうと、それらの心配は真逆であったと納得してもらえる。幼少の頃から胡坐を組めなかった人が、私のクライアントだけでも1カ月で3人あったが、“おとなまき”にわずか5分間入っただけで、3人とも胡坐を組めるようになった(図3)。

図4 “おなかまき”

図4 “おなかまき”

胎勢を改善し、胎児が安眠も運動もできるようにするには、母体の腹直筋のケアも必須である。それ用のアイテム“おなかまき”(図4)は、9月下旬発売に漕ぎつけることができた。

安眠は人を幸せにする。それだけでなく、睡眠は脳を癒し、修復し、成長発達させる上で、重要であることは脳科学では常識とされている。今回は、寝られない子を育て、その子の発達に悩み、まるまる育児の大切さにたどり着いた新沼助産師から体験をお話しいただく。

医療において、睡眠は重要な要素である。このランチョンセミナーが皆さまのクライアントの安眠と健康増進に、役立つことを願ってご挨拶といたします。

※“おとなまき”は対面指導でのみ販売できる商品であり、指導販売できるケアギバーは、今年の7月以後順調に増えている。