第68回日本産科婦人科学会学術講演会
ランチョンセミナー

子どもから見たお産と産後の母子への関わりについて
~バースハピネスから考える~

目次

座長のご挨拶
国立病院機構長良医療センター産科医長
周産期診療部長 川鰭 市郎

座長経歴

演者経歴

演題 子どもから見たお産と産後の母子への関わりについて
~バースハピネスから考える~

大阪府立母子保健総合医療センター 新生児科 主任部長 北島 博之

ご挨拶

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川鰭市郎


バースハピネス、あまり聞き慣れた言葉ではないと思います。私たち産科医は、リスクのある妊娠を管理することを求められています。一方で、ローリスクと呼ばれる妊娠はどのように出産を迎えているのでしょうか。

日本は世界で一番赤ちゃんが死なない国になりました。それは先人たちがしっかりと分娩を管理した結果であるといえます。しかし一方で管理を考えるあまり、快適性が置き去りにされてきたという指摘もあります。結果として、無事に赤ちゃんを産むことができたとしても、喪失感を感じる女性がいることは残念ながら事実です。

分娩の様式は多様化してきています。従来通りの管理された出産を安全と考える人もいると思います。しかし管理されない環境で出産したいという願いも尊重されなければならないでしょう。

安全と快適性、これは基本的に相反するものであるかもしれません。しかし、考え方次第で歩み寄れる可能性もまた存在するのではないでしょうか。

北島先生は周産期センターの新生児科医師として長年ご活躍してこられました。集中治療を必要とする子どもたちを救って来られた先生です。そのご経験とともに、幸せな出産とは何か、という大きな話題に切り込んでくださいます。分娩の持つ多様性と、本来あるべき姿とは何か。実は本来あるべき姿、つまりその赤ちゃんに適切な出産方法が、妊婦の求めるものではないことを私たち産科医も考えなければならないのです。これを知り、理解すればそのような喪失感、あるいは自己否定から救われる女性が増えてくるのではないかと考えます。

今日は皆さんと一緒にこの問題を考えてみたいと思います。